【社会を知る】少子高齢化問題について

 

○【本日の目次】

・はじめに

・日本の就業構造

少子高齢化による労働力減少問題

・有効求人倍率で見る日本の現状

・数字で見る日本の現状

・まとめ

 

 

○【はじめに】

 

皆さんは、「少子高齢化」という言葉をよく耳にすると思います。

 

ただ、問題の意識は、皆それぞれに異なります。

 

今回は、私が大学の卒業論文で研究した内容や、

総務省厚生労働省リクルートワークス研究所、労働政策研究研修機構、人材サービス産業協議会、パーソル総合研究所などのあらゆる最新データをまとめ、

皆さんに、わかりやすく就活以外でも有効な情報をお伝えしていこうと思います。

 

○【日本の就業構造】

 

解説を行う前に、

日本の就業構造をお伝えいたします。

 

 

上記は、2021年の日本の就業構造を表したものです。

 

労働力人口:15歳以上の人口のうち、働く意思と能力がある人。

・非労働力人口:就業者でも完全失業者でもない人。(就業していない、または就業意思のない学生、主婦、高齢者等の合計)

・完全失業者:①仕事がなくて調査期間中に仕事をしていない、②仕事があればすぐに就くことができる、③調査期間中に求職活動や事業を始める準備をしていた、の3つの条件を満たす人。

 

○【少子高齢化による労働力減少問題】

 

少子高齢化とは、その名の通り、

若者が減少し、高齢者が増加していく現象を表します。

 

その背景には、出生率の低下や、医療の発達から高齢者の平均寿命が伸びてきている傾向が著しく表れているという点です。

 

少子高齢化による、社会現象は様々なものが挙げられますが、

今回は、「労働」について見ていきます。

 

少子高齢化により、15〜64歳人口は、

1994年の8697万人のピークから、2019年は7510万人と、

この25年間で、約1180万人減少してきました。

 

また、2021年データは、7469万人と、

直近2年間でも、約40万人減少しています。

 

このペースであると、2030年には6900万人、

2040年には6000万人まで縮小されると予想されています。

 

○【有効求人倍率で見る日本の現状】

 

有効求人倍率とは、求職者1人あたり、何件の求人があるのかを示す指標です。

計算としては、以下のように表します。

 

【有効求人倍率=有効求人数÷有効求職者数】

 

有効求人倍率が高いほど、求職者は仕事を見つけやすい状態にあると言えます。

 

 

2021年の全国平均有効求人倍率は、1.13でした。

 

2009年の0.47倍を底に上昇を続け、

2019年には、1.60倍となりました。

 

その後は、コロナ情勢の影響により、低下していますが、

リーマンショックなどの金融危機の影響が生じた2008年と比較すると、

相対的に高い水準を保っている状態だと判断できます。

 

また、その翌年から徐々に増加していることから、

今後もますます有効求人倍率は高くなっていくだろうと予測できます。

 

ただ、地域、業種、従業員規模によって、

この求人倍率は大きく変わってきます。

 

【地域】

北海道、東北、北陸、中国、四国、九州地方の求人倍率が高く、

南関東、関西などの都心部の倍率は低い傾向にあります。

背景としては、少子高齢化に伴う人口流出の影響(若手の移動・介護のための異動)や

地方の労働力不足が問題であるためです。

 

【業種】

現業部門である、「保安」「建設」「運転」「介護サービス」をはじめとする関連職種の求人倍率が高い傾向があります。

背景としては、職種希望をする人材不足のためです。

 

【従業員規模】

2023年3月卒の求人倍率は、300人未満企業で5.31倍、300〜999人企業で1.12倍、1000〜4999人企業で1.11倍、5000人以上企業で0.37倍という結果。

一方、学生は、従業員規模5000人以上企業を希望する学生が18.1%増加し、その反面5000人未満企業を希望する学生は減少しています。

 

○【数字で見る日本の現状】

 

人口減少に伴う、労働力減少でありながらも、

私たちは、「生活のために働いている」という手段を選択せざるを得ず、

誰のためにも少しでも納得できるような、国の施策や民間企業の取り組みなどにより、

自分自身を律しているのです。

 

とは言え、労働力人口は、

この10年間で、急激ではなく、緩やかに減少しています。

 

その背景には、

働く女性、高齢者、外国人が増えたということです。

 

【働く女性について】

2010年〜2021年の11年間で、女性就業者は300万人以上増えました。

この11年間で、男女合計413万人増加し、

内訳としては、

・15〜64歳の男性:117万人減少

・65歳以上の男性:186万人増加

・15〜64歳の女性:192万人増加

・65歳以上の女性:152万人増加

上記のような結果です。

 

また、育児休暇など取得した女性が、正規雇用として戻るとする、

就業継続率も7割近くのデータとして表れています。

 

M字カーブと呼ばれていたものも、解消されていっているようです。

 

【働く高齢者について】

2021年の60〜64歳の就業率は72%、65〜69歳の就業率は50%まで上昇しています。

これは、全体の就業者の2割を占めます。

 

また、改正高齢者雇用安定法により、65歳までの雇用確保義務を、

70歳までの就業確保努力義務を設けています。

 

企業が70歳までの就業支援をすることで、

納得感のある仕事を行うことができる反面、

健康上の問題も出てくることが増えたり、仕事を継続的できるか不安がある状態など、

これからの課題になると思います。

 

【働く外国人について】

2010年から、日本で働く外国人は年々増加し、

2021年現在、173万人が働いています。

 

入管法で定められた在留資格の範囲内で就労できます。

 

日本では現在、製造業、サービス業、卸売業で働く外国人が多いですが、

その業種の希望者はやや減少し、医療介護などの専門的・技術的分野の在留資格

特定活動が増えているようです。

 

また、日本での人手不足が深刻な産業では、

一定の専門性・技術能力を持つ外国人の就労資格として、

「特定技能」が新設されました。

いかにそこまでしないと、ある一定の産業は維持できないか

と言うことが表れていますよね。

 

○【まとめ】

労働力人口が減少している日本では、

他の国と比較して、率先して対策をとらなければならないと言う課題があります。

 

ITによる生産性の向上や、働く人を増やす。

企業と個人双方のニーズに対応するためにも、

これからもいろいろな取り組みを行うでしょう。

 

今や、こうした課題から、厚生労働省は、

雇用保険の被保険者などが要件を満たす教育訓練を受講する給付金制度を設けたり、

人材のスキル再開発のためのリスキリングや、即戦力として専門スキルを向上させるリカレント教育に取り組む企業が増えたりなど、

個人の生産性を向上した対策措置を行っています。

 

社会から必要とされる外国人を取り入れるように、

今後も社会から必要とされる「自分」でなければならないのです。

 

 

本日は、以上です。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

ではまた。